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De Agostini『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』Side Two

昨日に引き続き、デアゴ『Sgt. Pepper』Side Twoの雑感

その前にジャケットのトリミングをご紹介
向かって左側(上からEAS、'78UK、'86US、2012、デアゴの順)USはソニー・リストンとスチュワート・サトクリフが半分切れてしまっている。
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向かって右側(上からEAS、'78UK、'86US、2012、デアゴの順)EASはシャーリー・テンプルが半分切れている。(それはそれでおどろおどろしくていいのだが、"GOOD GUYS"の文字が見えないのは減点だろう。)意外だったのはUSがいちばん端まで写っていること。(足りなくて鏡写しのようになってしまっているが…)そもそも、これ何?ってことで調べてみると"Cloth grandmother-figure, by Jann Haworth"ジャン・ハワース(デザイナーのピーター・ブレイクの奥さん)が持ってきたおばあちゃん用の服?ってとこだろうか?それともおばあちゃんの姿の服?人形?
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裏ジャケ:(上からデアゴ、2012、'86US、'78UK、EASの順)デアゴには例のホログラムのシール。何の意味があるんだろうか?EASはやはり日本語が書いてあると興ざめ。デアゴは文字が太って明瞭になっている。
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切り抜き: (上からデアゴ、2012、'78UK、EASの順)デアゴは2012よりも紙質が薄く、粗末になっている。どれがいちばんオリジナルに近いんだろうか?これだけあれば髭作り放題ですね。ウヒヒヒ(この後混じっちゃってどれがどれかわからなくなって慌てた)
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ということでSide Two

Within You Without You: UKは"Talking" "Space""Between""Without You""to Try""Small"などで破擦音が目立つがアンビエンスが素晴らしい。2012、デアゴはやはりタブラなどの低音が目立ち重厚。"And the time will come when you see we're all one"のあたりはデアゴでも2012でも目立っている。

When I'm Sixty-Four: 2012もデアゴも同じ音。こんなに低音がキツかったか?とUKを聴くと、こちらも思っていたよりベースが出ていた。UKはブラシが繊細でシンバルの音が綺麗。"We shall scrimp and save"の後のコーラスは2012、デアゴは若干引っ込んで聞こえる。

Lovely Rita: 2012とデアゴはスネアの高音が丸く、刺さるような感じがない。低音に偏り、高音の効果音やピアノ、コーラスが目立たないため、中央のベースをバックにソロで歌っている感じ。ドラッギーな印象が薄れた。意外にも2012の方が高音が賑やかで溌剌とした感じがあり、デアゴの方がおとなしく落ち着いた感じに聞こえた。
UKはボーカルのADTが飛び出し、残響が綺麗。日本盤はベールを一枚かぶったような音。

Good Mornig Good Morning: 2012もデアゴもブラスと右のコーラスがおとなしい。ギターのカッティングが引っ込んでいて、ギターソロも刺さってこない。エンディングの行進もおとなしい。この曲も意外なことに2012の方が刺激的で迫力がある、デアゴは重心が下がっていておとなしく感じた。対して、UKはやはりのびのびと鳴っていて、入れ物が広い感じ、ギターソロも耳が痛いくらい刺激的。歪みっぽさのない迫力のある音。

Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise): 2012はイントロのバスドラが詰まって聞こえ、まるでダンボールのよう。ベースも輪郭がハッキリしない。しかし、デアゴは2012よりもさらにバスドラが目立たなく、なぜか全体的に元気のない丸い音。UKはコンプの効いたスネアが目立つ。でも歪まないのびのびとした綺麗な音。ベースがゴリゴリいってる。

A Day In The Life: 2012とデアゴはやはり詰まった音場の狭い音で、良く言えば重厚。でもおとなしく感じられ、緊張感がない。エンディングのピアノもUKに比べるとハイが死んでる。これも2012とデアゴの違いがよくわからなかった。UKはやはりダイナミッックレンジの広い音でオーケストラのクレッシェンドが耳に刺さる。"Woke up"からのパートでバックの話し声が大きく感じる。

inner groove: 残念ながら2012には収録されているのに、デアゴには収録されていない。これも含めてトータル・アルバム、『Sgt.Pepper』の醍醐味なのだからしっかり入れて欲しかった。これが無ければ単なる芸術大作に成り下がる。2012はCDと同じように聞こえ完璧。'78UKはひどい。きちんとカッティングできなかったのか(よほど難しいのか)「ハハハハ、エ〜シッ、ブツッ」を延々繰り返す。(ウチのプレーヤーがトレース出来ないだけ?)
DP-1300MKIIはマニュアルなので、Blue Boxを買った時に延々繰り返されるインナー・グルーブを遂に体験できると思っていたのに残念。
これを体験するために今度はオリジナルを買わなければなりませんね…。お金が…。

ということで、あくまで私の主観なので、あまり参考にならないかもしれないが、感じ方は人それぞれ。環境によっても聞こえ方は違うと思うので、ぜひご自分の耳で確かめてみてはいかがだろうか?
では…

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De Agostini『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』と『Rubber Soul』到着

今日会社から帰るとデアゴスティーニから『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』と『Rubber Soul』が届いていた。発送メールが届いたのが23日なので、なか二日で到着したということになる。早い人は昨日到着していたようだ。
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一度に両方となると分量も多くなるので、何回かに分けてご紹介したいと思う。聴く方も2枚同時に到着すると集中してゆっくり聴くことが出来ない。
ちなみにAmazonで購入すれば発売日に到着するだろうが特典はつかない。(たいして欲しいとも思わないが…)また、収納ボックスはデアゴのみの取り扱いとのことなので、定期購読の方が何かと都合がいいだろう。本当に欲しい人は買い逃さないように定期購読するだろうから書店では買わないだろうし、そういう人こそ発売日にいち早く欲しいんじゃないか?と思う。こういうものは祭りに乗れてこそ意味がある。書店で購入した人と、定期購入の人でタイムラグが発生すると情報を共有できないため、世間的にはいまいち盛り上がっていない印象を与えてしまうと思うのだがいかがだろうか?ホント、デアゴさんには定期購読者にもう少し配慮していただきたいものだ。(一説には、ラーメン屋で30分以上待たされると脳が美味しいと感じなくなるそうだ。)

さて、本の中身は前回同様。特に目新しい記述も写真も無く、ほとんどが広告なので真剣に読む必要は無いと思う。これで「毎号徹底解説!」だなんて広告を打つんだからバカにしているとしか思えない。
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ので…のでということもないが、以前予告していたようにシュリンクを乱暴に引きちぎってやった。(笑)
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するとそこには、うっとりするくらい美しいコーティングジャケがっ!
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いまいち判りづらいだろうが、上が2012、下がデアゴ。2012は(StereoCDのような)マッドな感じのコーティングなのに、こちらは(MonoCDのような)ツヤツヤのコーティング。オリジナルの手触りは持っていないのでわからないが、78年再発盤に似た感じで手に吸い付く。これだけでも買った甲斐があった。2012とデアゴ、一見すると同じようだがトリミングはデアゴが若干広い。(近々報告するが『Rubber Soul』に至っては(私の持っているものの中では)今までで一番画角が広いのではないだろうか?)ということは、2012とは別の版を作り直したのだろうか?
↓これは上がデアゴ、下が2012。わかりづらいかもしれないが感動するほどツヤツヤ。
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レーベル: Yellow & Black Parlophoneがいい!手書きでMPO SGTP A2
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Sony/ATV Music PublllshingとMADE IN EUというのが少し寂しい。手書きでMPO SGTP B3
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盤面には特に傷も反りも無かった。

さて、肝心の音の方だが、例の妙なイコライジングはされていないのを確認した。

今日のためにずっと78'UKを聞き込んで色々比べていたのだが、言われなければデジタル・マスターだとわからないかもしれない。
というのも、レコードに親しんだ方は記憶にあると思うが"Lucy In The Sky With Diamonds"や"Getting Better"の曲前にうっすら転写のようなゴーストが発生していたのだが、デアゴも隣の溝の音を拾っているのかゴーストが出る。まさかアナログマスターということはないだろうが…と思い2012を聞いてみると、Lucyの前は聞こえないが、Getting Betterの前は聴こえる…ということは、単にレコード盤の特性によって鳴っているに過ぎないのだろう。

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band: ウチの環境だけかもしれないが、2012年盤を聴いていて、1曲目のイントロでベースがやけにブーミーで音が歪み、歌い出しのポールのボーカルも歪んでいた。
2012購入当初はプレーヤーも安物だったので気づきもしなかったのだろうが、DENON DP-1300MKIIとDL110の組み合わせでは鑑賞に耐えない音だった。(水平や針圧、オーバーハングなどの調整はしっかり行なっているし、針先も汚れていないのだが…)
なので、そこを重点的に聴いてみたが、2012に比べるとデアゴは問題のないレベル。だが、UKと比較するとやはりリマスター版特有の低音に偏ったバランス。それに比べるとUKはやはり上品だ。

With A Little Help From My Friends: この曲のコンプレッサーの掛かった潰れたスネアの音と、ガチャガチャタンバリンを振る音、シンバルの残響音が私の中でSgt. Pepper特有の音と認識していたので、最もデジタルとアナログの違いが出そうだと思った。2012、デアゴはスネアと金物の刺激が無くて音が丸い。またベースにスポットが当たっている。やはりUKの方が上品で空間が広く繊細に感じる。

Lucy In The Sky With Diamonds: イントロ3音目のロウリーにマスターテープの劣化か78'UKにはないテープのよれのようなものがある。(と思ってEASを聴いたが2音目ですでによれていた。それにEASはやっぱり少し元気の無い音だ)デアゴはやはり太めの音で、UKに比べるとハイハットのシャキシャキ感が薄い。"incredibly high"の後のジョンの「アッ」ていう声がUKの方が大きくていい(「あ、間違っちゃった」って感じ)。

あと、これは初CD化の時から気になっていたが、曲間無音のタイム(いわゆるプリギャップ)がレコード(EAS)と違わないだろうか?UKもEASももっと食い気味にGettin Betterが始まるような気がしていた。
今回、同一のプレーヤーを使ってiTunesに取り込んだタイムをそれぞれ比べるとUK、EASが3:28、2012は3:29。
手動で切り分けているので正確ではないにしろ、おそらく1秒にも満たない違いだろうが誤差がある。
かつてレコードに慣れ親しんでいた頃、待望のCDが登場したが曲間が自分のアタマの中のタイミングではなかったので、メドレーをぶつ切りにされたような強い違和感を感じていた。
メンバーが曲間にもこだわったというこの作品においては曲間の無音も作品の一部だと思うのだがいかがだろうか?(ちなみに初期の1stや2ndなどは逆に曲間が短か過ぎて違和感を感じる。)

Getting Better: 2012もデアゴも同じ音。UKはやはりベールが取れたようにスッキリ澄み渡った爽やかな音。

Fixing A Hole: イントロのハープシコードからして2012は微妙にこもっている。デアゴはこもってはいないが2012との違いはごくわずか。UKに比べると重厚な響き。Fixingの「フィッキィスィ」、Rain Gets inの「ゲッッィン」などボーカルの破擦音が目立つ曲だからかボーカルがイコライジングされていると思われる。デアゴも2012ほどではないがリマスター版のマスターを使っているので強弱の違いはあるがマスキングされていると思われる。UKは歪みっぽく汚く聞こえるかもしれないが、軽くて見晴らしがいい。音の傾向は全く違うと思う。

She's Leaving Home: 2012ではボーカルがこもるがデアゴは若干クリア。でもその差はわずか。
"Our Baby's Gone"あたりから2012は明確に音質が変わる気がする。内周歪みなのか後半に行くにしたがって歪みっぽくなる。カッティング時のミスだろうか"Waiting to Keep the Appointment she made"の"Waiting"の後ろで2012はボンっとプレーヤーに振動を与えたようなノイズが乗るが、デアゴにはそれが無い。
UKは演奏が室内楽的にコンパクトにまとまっているように感じる。リマスターの方がバイオリンが情感たっぷりで雄大に聞こえるような気がする。

Being For The Benefit Of Mr. Kite!: 2012はイントロのバス・ハーモニカの音が引っ込んでいて汚い。針先にゴミを付けた状態で、使い古した安いノーマルテープ(SONYのHFとか?)にドルビー無しで録音してドルビーを掛けて再生したようなこもった音。デアゴもこもっているが、針先のゴミを取ってドルビーを掛けて録音してドルビーを掛けたような音。(通じるだろうか?笑)
何れにしても破擦音がきつめで最内周の曲なので、かなりマスキングされていると思う。オーディオ的に良い音かどうかと言われるとそれは別問題。
UKは演奏からしてクリア。ちょっと高めのハイポジション(MaxellのUD IIくらい?)にドルビーありくらいの感じ。
何れにしても元々あまりいいサウンドではないかもしれない。

ウチにあるアナログSgtの中ではEASはやはりちょっと元気の無い音。意外と先日紹介したUS Capitol SMAS 2653が一番クリア(高音が出ている)ような気がした。ピクチャーは取り込むのを途中でやめたほどS/N比の悪いおぞましい音。

じゃあUSBは?と思ってUSBを聴いたが、やはりUSBが最もメリハリがあって、低音を強調しすぎなきらいはあるがオリジナルに近いと感じた。

iTunesに取り込んだものを交互にMr. Kiteのイントロだけを聴き比べてみたが2012は耳が腐りそうだった(笑)
デアゴも幾分マシだがやはり基本的にはsh音を抑えた同傾向の音で、(UK盤のような音を期待して)過度な期待をすると肩透かしを喰らうかもしれない。
それでも通して聴くぶんには全く気にならないし、2012よりは大分違和感もなく聴きやすいと思う。
ということで、かなり長くなりそうなのでSide 2はまた明日。
では…



『過ぎたるは及ばざるが如し』の巻

前回紹介してからレコード洗浄を止められなかった…

かった…というのは、現在は「あまりいじるのはやめよう」と思っているからである。
なぜなら…あの後あまりに洗浄しすぎたせいかすっかりハードルが上がってしまい、ノイズばかりに目(耳)がいって、音楽そのものを楽しめなくなってしまったからである。意地悪な姑よろしく「〇〇さん…このホコリ…ちゃんと掃除したんでしょうねっ!」みたいな感じで、ノイズに過敏に反応してしまう。

そもそも、アナログとはファジーなモノだ。どこかのブログで読んだが、デジタルは毎度同じ音が出るが、アナログは盤のコンディションや、その日の気候によって微妙に音が変わるのだという。万華鏡のようなものでレコードは掛ける度に同じ音はならない。そういう意味ではレコードとはライブ・コンサートのようなものといってもいいのではないか?そう考えると、適度なノイズも単なる雑音ではなく愛おしくさえ感じる(笑…ウソ)

また、ノイズのないアナログは本当に高音質と言えるのだろうか?

なぜなら、「ジリパチノイズこそがアルファ波を生む元なのではないか?」とも思ったからである。
というのも、私は休日温泉巡りをすることも多い(イメージがないかもしれませんが、函館は温泉天国でもあるんです。市内のあちこちに天然温泉があり、銭湯価格で入浴できますのでお越しの際は是非)が、浴場内で思わず寝てしまう温泉と、寝ようと頑張っても寝れない温泉がある。
その日の疲れ具合は別としても(私が)寝てしまう温泉というのは湧出量が多く、水しぶきの跳ねる音が盛大であることが多い。残響も重要で"Caroline No"くらいの感じが理想的だ(笑)
つまり、滝壺の音や、深夜の(アナログ)テレビの砂嵐などはホワイトノイズ成分であり、レコードから出るノイズもまた同じようなもので、1/fのゆらぎを生み出しているのではないか?ということ。ノイズレスのレコードは確かに聴きやすいだろうが無味乾燥な気がする。

と、もっともらしいことを言っているが、結局のところ「あまりいじらないようにしよう…」と思ったのは、掃除しすぎてかえってノイズが増えたような気がしたからである。ガーン!

前回、『Rubber Soul』赤盤で色々と実験したが、「レコクリン」「水の激落ちくん&精製水&バキューム」だけでは飽き足らず、その後「バランスウォッシャー」「STATIC KILLER CLOTH」やら色々試してみた。
で、色々やった結果、逆にノイズが目立ってきたように感じた。

やった中で一番効果があると感じたのは、一番最初におっかなビックリ試した

1. 「レコクリン」を垂らし、ターンテーブルを回しながらデンターシステマ1本を柄を持ちながら優しくトレース
2. 「レコクロス」で拭き取り、乾いた「レコクロス」で適度な力で拭き取る

というシンプルなものだった。

まさに「過ぎたるは及ばざるが如し」といったところだ。

「水の激落ちくん」は精神的によろしくないし、何となく音溝が荒れるような気がする。(音質的にもカサつくような…?)
ケルヒャーのバキュームクリーナーは水は吸うが、溝の汚れを吸い込むほどバキューム能力は高くない。窓ガラスではともかくレコード盤では吸い込みムラが気になるし、いくらゴム付きワイパーとはいえ傷が心配であまり強く押し付けられないため、結局は気休め程度の効果しかない。
「バランスウォッシャー」は音質が変化するような気がする。(覇気のない音?丸くなる?高音のノイズは減少するような気がするが、ノイズが中音から低音域、チリチリからボツボツに変わり余計に目立つような…?また、A液、B液というのが面倒くさい)
「STATIC KILLER CLOTH」は良いものだとは思うが、力が入りすぎる。クロスそのもので傷をつけることはないだろうが、チリやホコリが付着した面でこすると当然ながら傷は付くだろう。力の入れ方を工夫すれば良い商品なのだろうが濡らすことが必須。

ちなみに、ウチにあった中古の『Carl and The Passions / "So Tough"』を久しぶりに出してみたら表面がカビたようにまだらになっていたので、上記の方法を色々試したが、結局どれも効果がなかった。
ということで、無理なものは無理

ちなみに前回、ウチの『Rubber Soul』赤盤で音が悪い箇所は(粗末な)家具調ステレオで聴かれたのではないか?と推測していたが、きっとモノラル針で(ひょっとしたらポータブルプレーヤーとか?)聴かれたため音溝が破損しているのではないか?と思った。
それなら何れにしても修復は不可能だろうし、針にも良くない。ということで、何事も諦めが肝心だと悟った。これから試される方はくれぐれも磨きすぎにはご用心。

ポータブルプレーヤーにふさわしいのは薄幸の美少女でもなく、日本人形でもフランス人形でもない。
4畳半の部屋に共同便所、ヒマワリ柄のジッパーのついた衣装ケース(名前がわからない)ファンシー・ケースだ。

ということで、デアゴから発送メールが来たので、次回は真面目に音レポします。(笑)
では…

デアゴに向けて『Rubber Soul』OP-7450お掃除の巻

今日は休みだったので、一日中レコードを聴いて過ごそうと思ったのだが、サーフェスノイズがデジタルに慣れた耳には気になって気になってしょうがない。パッと見、盤のコンディションは良いのにどうにもS/N比が悪いということは傷以外に何か原因があるはず。
おそらく昔のクリーニングスプレーの類でカビや埃が溝に固着しているのだろうと考えた。

Dr.Ebbettsのように完全にノイズを取り除こうとは思っていないが、せめて無音部のチリチリノイズは可能な限り取りたいし、ノイズで肝心のサウンドが歪むのはなんとかしたい。

ネットで調べると「デンターシステマ」と「水の激落ちくん」を使用してレコードをクリーニングしているという猛者を発見。
私はさらにそこにバキュームクリーナーを再現すべく「ケルヒャーの窓用バキュームクリーナーWV50 」を使ってレコードをクリーニングするという工程を加えた。本物は敷居が高いので似非バキュームクリーナーという訳だ。

工程はいたってシンプル
1. いらなくなったターンテーブルにレコードを乗せ、「レコクリン」もしくは「水の激落ちくん」を塗布(レーベルは何かでカバー)
2. ターンテーブルを回しながら、デンターシステマを5つ連結した手製のブラシで溝を掻き出すようにこする。
3. 「レコクリン」の場合はその後「レコクロス」で水気を取り、乾いた「レコクロス」で磨く。「水の激落ちくん」の場合は液が残るとレコードによくない(水垢が残る)とのことなので、精製水(コンタクト用)ですすぐように濡れ拭き、乾拭きを2回ほど繰り返す。(ここで、レコクロスの節約と汚れ除去能力アップのためにバキュームクリーナーを使った)
4. 乾くまで待つ…私は面倒臭かったのでそのまま直で聴いたりしていたが、溝にはよくないとの説もある。また、クリーニング直後はスタイラスが溝の汚れを掻き出すので針先にゴミが溜まりやすい。そのため2〜3回聴かずに針だけを通すのが良いようだ。

ということで、実は昨日の夜、手持ちのひどく汚れていて、どうでも良いレコード…そう、『Rubber Soul』のオデオン赤盤を生贄に選び、人知れず残忍な実験を繰り返していた。
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まずは激落ちくんをたっぷり塗布し
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この手製のブラシ(爪の中の汚れ落とし用ブラシの毛をカッターで切り、ニッパで首チョンパしたデンターシステマ5個を強力両面テープで貼り付けたもの)でこする
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少し時間を置くと汚れが浮き出るのでそれをレコクロスで拭き取る
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精製水をたっぷりふりかけ、またブラッシングを繰り返し
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バキュームクリーナーで水分をバキューム
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レコクリンで最後のだめ押しをしたら、レコクロスで乾拭き
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ハイ、出来上がり

結果から言うと、この洗浄方法はノイズ除去に非常に効果があるということがわかった。
ただ、モノにもよる。というのも、先日紹介した『Abbey Road』は傷の箇所で周回ノイズが出る以外は無音部などで聞こえていたチリパチノイズはほとんど無くなったが、この赤盤は曲によっては良くなったものの、効果が無い箇所は全くと言っていいほど効果が無かった。
なぜだっ…と頭をひねり、ひょっとしたら前のオーナーが特定の曲を(粗末なターンテーブルで)それこそ「擦り切れるほど」聴いたために、溝がすっかり荒れてしまっているんじゃないかと思った。

というのも、Side 1の途中まではそこそこ聴けるものの"Michelle"が異常なほどに歪んでいるからである。内周歪みだなんて生易しいものではない。イメージでは玉音放送か、美空ひばりの「河童ブギウギ」の盤起こし並みに音質が悪い。つまりSP盤っぽいハイファイ感のない音だ。

Side 1でいうと"Norwegian Wood"、Side 2の"What Goes On"や"Girl"、"In My Life"、"Run For Your Life"などは比較的に綺麗に現代的に鳴るものの、"Michelle"、"I'm Looking Through You"、"Wait"などポールの声が目立つ曲に変わった途端、びっくりするほど音が腐る。
”Think For Yourself”、”If I Needed Someone”なども音があまり良くないので、この人は女性で(それも薄幸の美少女…間違ってもサングラス集団の一人とか、「アタシキチガイになっちゃうよ〜」なんていうスレッカラシではない)ポールのファンで、ガラスケースに入った傘を持った日本人形(もしくは円柱のケースに入ったフランス人形)とウィスキーのミニボトルが載せられた家具調ステレオかなんかでMichelleを聴きながら「ポール…」なんてため息をついたりなんかして、菓子鉢の載ったちゃぶ台かなんかに頬杖をつきながらこのレコードを聴いていたのかなぁ、なんて妄想していた。(笑)
きっと2番目のお気に入りはジョージだ。ジョンのことはあまり好きでは無かったのかも知れないが"Nowhere Man"に限っては日本公演でやった曲なので聴き込んだのか、それなりに溝が荒れている(笑)リンゴのことは眼中にも無かったようだ、驚くほど音が良い(笑)"Norwegian Wood"や"Girl"を聴いて、きっとそれまでのアイドル然としたビートルズが変わっていくことに戸惑いを感じていたんだろうなぁ…。

なんて一枚のレコードから色々なことがわかるのも、また中古レコード蒐集の面白さでもありますね。

というわけで、今回の『Rubber Soul』掃除計画は失敗となりましたが、そもそも赤盤自体があまり音が良いものではないのかも知れませんね。色からソノシートを連想するからかも知れませんが、高音に偏っていて、低音がドーンと鳴るイメージがない。実際、この盤は中音から高音が強調されていて、中音がグシャッとしていてカッティングレベルが高すぎるのかラウドで歪みっぽい。"You Won't See Me"のギターのカッティングや、"The Word"のハモンドオルガンの音なんかはドラッギーで相当刺激的に聞こえる。が、鑑賞に耐えられない(耳も針も腐りそう)ので、この『Rubber Soul』が今後我が家のターンテーブルに乗ることはないだろう…。

ちなみに、うちで2番目にいらない子、『Beatles For Sale』の赤盤も同様に磨いてみたが、そちらの方はそれなりに綺麗になった。なので、元々の盤の状態や、素材の違いによって効果に差が出るが、チリパチノイズ対処法としては有効だと感じた。ただし、長い目で見るとカビが生える可能性もあるし、将来悪影響が出る可能性もあるかも知れない。(でも、悪影響が出る頃にはもう生きてないと思う)
また作業の最中にうっかり傷をつけてしまう可能性もある。くれぐれも自己責任でお願いしたい。

私も「歯ブラシでレコードの溝をトレースするなんて…」と最初は躊躇したが、レコードというのは意外と頑丈なメディアのようで、こんなに荒っぽく洗ってもビクともしない。ビクともしてるかもしれないが目視では傷も確認できない。ちなみにネットではGold Parlophone Monoをシステマで掃除している猛者もおられた。
私もこれからはこのやり方がデフォになりそうだ。

一応、今回お亡くなりになられた『Rubber Soul』の遺影を見てやって下さい。
ロゴはスケルトンで背景の木々が透けている。オリジナルもこんな感じなんだろうか?コーティングが美しい。
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裏はUK盤のようにフリップバック、モノクロの墨が潰れ気味、1,750円シールあり
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内袋もしゃっきりしている、折り返しの裏にはビーチ・ボーイズ、ナット・キング・コール、ペギー・リー、フランク・シナトラがいました。このころのアルバムのタイトルって「〜のすべて」とか「〜の総て」とか大袈裟なのが多いなぁ(笑)今ならさしずめ"Best of〜"とかかな?
この中でちょっと気になったのは「ナポリの夜(五十嵐喜芳ステレオアルバム No,2)」ってやつ。で、Apple Musicでチェックしたら五十嵐喜芳(きよし?)さんあったんで一押しっぽい「オー・ソレ・ミオ」を聴いてみた(笑)すごく良かったです。パスタが食べたくなった。
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裏はクラシックですね。
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レーベル Side 1: YEX-179、17、JISマーク
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Side 2: YEX-178、27、D6、E6、JISマーク
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歌詞カード:このアルバムは妙な邦題が多い。「ノルウェーの森」じゃなくて「ノーウェジアン・ウッド」なところに注目。(This Bird has flownは記述無し)
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言葉の選び方が結構パンチが効いてる。"You Won't See Me"で「〜だぜ」「〜だぜ」って、そういうイメージ無いけどなぁ…。もうちょっと女々しい感じだと思う。
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で、最後のページに染み…まさか…血痕?ちゃぶ台の上のネスカフェでもこぼしたか?
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ということで、薄幸の美少女の身を案じつつ、「帰れソレントへ」で閉め
では…

"The Beatles Collection (BC 13)"狂騒曲

更新が大分遅れました。

…というのも…

まず、前回のブログで「9月12日にはデアゴSgtが到着するだろう云々」書きましたが、待てど暮らせど到着しない。
そこで、デアゴのサイトで確認したところ、定期購読は2号まとめて発送されるとのこと。
つまり9月26日に『Sgt.Pepper』と『Rubber Soul』が同時に到着するということになる。ここのところは、もうちょっと定期購読者に配慮してくれてもいいのではないかと感じた。(ただでさえ海外版に比べると日本版のおまけはしょぼいんだから…。)というわけで、すでに書店には並んでいるようだが、私はまだ入手していない。(書店に山積みになっているのを見てしまうと買ってしまいそうなので、怖くて本屋にも行けない)


だからといって何もしていなかったかといえば、そういうわけでもなく、先日購入した通称『Blue Box』が到着したので、それをずっと聴いていた。
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私が購入したものは78年のもので、2 Marks、リムがEMIから始まるもの。ジャケットはフリップバックではないが、一応コーティングされていた。税込47,520円だったので1タイトルあたり約3,700円。ebayなどと比較してもまぁ相場通りといったところか。やはり読み通りBoxものは出し入れが面倒なのであまり聴かれなかったのか40年前のものと考えると状態も良く、ほぼニアミントといっても差し支えない状態だったので、入門用としてとりあえず満足はしているが…。

ということで、デアゴと比較するためにアナログマスターから作られたステレオ盤は確保した。厳密にいえばUKオリジナルとはいえないのかもしれないが、これだって立派なUK盤。コピーマスターから作られた日本盤EASとは比較にならないだろうと思った、のだが…。

のだが…と書いたのは、わけがありまして…

長い間Boxの中にキツキツに入っていたためか、盤が反ってるやんかっ!

私は割と几帳面な性格なので、とりあえず、発売順に聴いていこうと『Please Please Me』から聴いているのでまだ、他の盤は全て検盤していないが、おそらく反っていることだろう。いや、反ってると思ってる。「シュレーディンガーの猫」みたいなもので反ってると思ってるから反ってる。
とりあえず『Please Please Me』は反ってた。で、何故かSide 2の方はセンターがずれているのかカートリッジが蛇行する。そういう盤ってたまにある。センターがズレて盤が反っているんだから音の方はお察し…というか、よく聞くと伸びたテープでも聴いてるかのように周回でピッチがズレて気持ち悪い。(まぁ、意識しなければそこそこ鑑賞には耐えうるけど)
しかも、前のオーナーがインナーの中にビニールのインナーを入れてたもんだから静電気がすごかった。盤面はすこぶる綺麗なのだがチリパチノイズを聴いてるのか音楽を聴いてるのかわからない状態。

で、レコードの洗浄方法をネットで色々調べて、一時はバキュームクリーナー帯電イレーサーを購入しようかと真剣に悩んだ。お手軽にできる方法として洗剤をつけて水道水で丸洗いするというのも考えたが、まだ支払いも終えてないのにダメにしたらシャレにならんということで、レコクリンレコクロスを使って何度も何度も丁寧に磨いた上で、除電ブラシで除電してみた。そして、スタビライザーを使ってみたら、まぁまぁなんとか復活した。

まぁまぁと書いたが、それはまだこの盤のポテンシャルを全て引き出したわけではないという意味で、もっともっといい音で鳴らせると思うし、溝に刻まれている情報量はCDと比べてもやはりすごいと思う。
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実は私は今まで『Please Please Me』はあまり好きじゃなかった。国旗帯盤ではピッチが合っていなかったし、87年のCD化では(当時は時代遅れだと思っていた)Mono音源だったということもあるし、収録曲もトボけた曲が多いし、なんとなく古臭くて地味な印象を持っていた。

しかし、このレコードで聴ける音は若々しくて、瑞々しくて、元気一杯で立体的に感じる。
これは誇張ではなく、Dr.EbbettsのCDで聴くのともまた違って飛び出してくるような迫力や奥行きがあるように感じる。CDやUSBと比べるとやはりどうしてもノイズはあるが聴いていて心地いい。感動した。

とりあえず、バック(フリップバックじゃないけど、右側が少しだけコーティングされてる)
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内袋
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レーベル(YEX-94-2/95-2)
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今まで旗帯やCDでしか、じっくりこのアルバムを聴いたことはなかったが、今回色々発見があった。

I Saw Her Standing Thereのカウントの後ろにドラムスティックの当たる音が聞こえる。ちなみにこの盤では間奏の後の"Oh We Danced Through The Night"の辺りで右チャンネルで一瞬音がこもる(リマスターステレオA Hard Day's Nightのイントロ〜歌い出しのような感じ…最悪)カッティングのミスだろうか?別のサイトではSide 2のP.S. I Love Youでも音がこもる箇所があるようだが私の盤では確認できなかった。
Miseryのエンディング長めで最後にスタンド式の灰皿のようなものがカチャッと音を立てるのが聞こえる。CDなどではノイズとしてカット(早めにフェードアウト)されたのだろうが、こういうものはノイズではなくて歴史の一部なのだから安易にカットしないでほしい。旧CDではイントロの一音がカットされてるとの話も聞いたことがある。右チャンネルにリズムをとる謎の金属音のようなものが聞こえる。リズムが合ってるのでスクラッチノイズの類とは違うと思うのだが…。
Chainsはエンディングが少し長い。
Please Please Me最後の方の"Please Please Me Oh Yeah"のOhで声が歪んで割れる。
Love Me Do
P.S. I Love You
この2曲は疑似ステレオで、ステレオリマスタCDにはモノラルで収録されているが、これはやはり疑似ステレオで収録して欲しかった。このチープな音質も当時の人が聴いていた音だし、歴史を改ざんしないでほしい。
Baby It's You
エンディングが長め。BBCバージョンのようにエンディングつけて完奏してるんだろうなぁと想像できる。(Do You Want To Know A Secretも)
A Taste of Honeyもエンディングで何かがカタカタと音を立てる
Twist and Shoutエンディングのジョンのため息?が大きいというかリアル。

とにかくCDはできるだけノイズを減らそうとしたのかイントロ、エンディングの残響を短くしているのでアウトである。彼らの出した音はたとえ雑音だとしても作品の一部なのだから。
また、リマスター版に顕著なのだが、生きているメンバーに配慮したのかやたらとドラムとベースがうるさい。
ビートルズは4人でビートルズなのだから、特定の音だけ強調したりするのは作品に対する冒涜だと思うのだが言い過ぎだろうか?とにかく何事もバランスというのは大事だと思う。



といった訳で、デアゴ盤そっちのけで連日『Please Please Me』に夢中なのである。レコードを聴くことで溝が掃除されてノイズが減るらしいので擦り減らす勢いで聴きこんでやろうと思っている。ちなみに前にも紹介した『Abbey Road』は傷だらけノイズだらけだったがレコクリンでせっせと磨いて針を通しているうちにノイズが減ってきた。こうなってくるとバキュームクリーナーも試してみたくなる。あと、ディスクフラッターで反りも直したい。お、お金が…。

それは別として、24日のデアゴ到着に向けてBlue Boxの『Sgt.Pepper』と『Rubber Soul』を聴き込まなければなりませんね。

最後に、フロントジャケットに気になった点が…
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Angus McBean切れてるやないのっ!
そこ一番大事なとこじゃん!
しかも、よく見るとジャケット自体の印刷もオリジナルからのコピーなのかちょっとボケてるし、ヒッキーも目立つ。
こうなるとやはりオリジナルのステレオGold ParlophoneがEXで欲しくなる、いや、贅沢は言わない。Yellow & Black Parlophoneでいいから欲しいと思ってebayを見ているが、意外と玉数がないし、あっても高い。なぜか日本人にはレアなはずのMonoの方が安い…。
きっと63年当時はStereoの普及率はMonoに比べてそんなに高くなかったんだな?と合点がいった。

音のこもらないI Saw Her Standing Thereを聴くためにオリジナルUK盤を手に入れなければ…完全に毒されてます。ハイ。
では…

De Agostini「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」Reisseueに備えて…

DENONのDP-1300MKIIを買ってからというもの、アナログが面白すぎて止まらない。

今までは、傷だらけのGold ParlophoneYellow Parlophoneをオークションで高値で(状態の良いものだと25,000円とか?)購入して、ノイズを我慢してサウンドを聴くなんて正気の沙汰ではないと思っていたし、湯浅学氏著の「アナログ・ミステリー・ツアー」を読んだり、ネット上の諸先輩方のブログなどでマトリックスの違いやらレーベルの分析を読んでいてもどこか別世界のような感じで、自分とは無縁のものと思っていた。

それでもマニアの性かBruce Psizer著の"Beatles for Sale on Parlophone Records"や”Beatles' Story on Capitol Records”、井上ジェイ氏著の"ビートルズUK盤コンプリート・ガイド"は一応「写真集として」持っていて、それなりの下地はあったとは思うが、まさか自分がここまでアナログ道にハマるとは思っていなかった。

ひとつには、先ほども書いたがオリジナル盤が高すぎることである。高い上に、バリエーションがありすぎるので「以上をもってコンプリ」という終着点を設定しづらい。
オリジナルアルバムを集めればそれで終わり、というものでもなく、MonoとStereo両方初版で買った上に"Let It Be Box"が立ちはだかる。"From Me To You"、"She Loves You"、"I Want To Hold Your Hand"を聴くにはシングルを買わなければならないし、そうなるとシングル盤をコンプリしなければならず、"Long Tall Sally"、"Magical Mystery Tour"を聴くにはEP盤を買わなければならず、そうなるとEPをコンプリしたくなり、いやいや、MagicalならUSコンピとなると、それのMono、Stereo両方買わなければならない上、US全てコンプするとなると"Butcher Cover"に行き着くという蟻地獄のようなもので一度ハマると抜け出せなくなるので、お金がいくらあっても足りないだろう。

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(安心してください、これは中学時代に原宿の"GET BACK"かキャラメルママで購入した"Yesterday And Today"−ジャケとレーベルはStereoなのに音はMonoという珍品−のおまけでもらったスリックのレプリカです。当時はこれでも心踊ったが、今見ると相当雑な印刷だなぁ…)

そもそも満足できるMintコンディションの初版は現存するのだろうか?

というのも欧米ではレコードは「消耗品」という感覚らしく、YouTubeでコレクション紹介動画などを見ていても、我々日本人の感覚からすると相当扱いが荒っぽく感じる。なぜかジャケットやレーベルに書き込みをしたりと理解不能な行動もする。(笑)中には粗末な再生機器で再生されたものもあるだろう。
それが発売から50年あまりを経て、いろんな人の手を渡り、レコードショップの棚にキツキツに押し込められて角が潰れて、底が抜けたり、盤が反ったり、ジャケットにリングワイヤーがあったり。
よほどファーストオーナーから直々に入手したものでなければ状態がいいものを良心的な価格で入手するのは難しいのではないかと思う。

前置きが長くなったが、そういったわけで今までアナログには手を出さずに傍観していたのだが、プレーヤーをアップグレードしてからというもの、あまりの音の違いに今更ながら驚いている。モノクロ映画がカラーになったとか、モノラル録音がサラウンドになったとか、それくらいに感じる。この感覚は"Pet Sounds Box"ではじめてStereo版を聴いた感覚に近いかもしれない。
なんというか、迫力というか、密度というか、鮮度というか、うまく表現できないが、今までCDやUSBで30年あまり聞いてきたBeatlesは一体なんだったのかと思うほど違うと感じる。思い入れやプラセボと言われればそれまでだし、聞き分けテストのようなものをされても聞き分ける自信はないが、Beatles(というよりもエンジニア)が意図したサウンドに触れる、また、当時の人の記憶を追体験するという意味でもパッケージも含め「原典」としてUK盤は無視できるものではないと今更ながら気づいた。

どうやらパンドラの箱に手を伸ばしてしまったようだ…


しかしうちには先日紹介した"Abbey Road"以外、まともなUK盤を持っていないため、手っ取り早く"The Beatles Collection BC 13"のUK78年ものを購入した。Two MarksでEMIリム、ジャケットもフリップ・バックではないがコーティングされているので、とりあえず入門にはいいのではないかと思った。
"Gramophone"に比べると鮮度が落ちるらしいが、その違いを聞き分けられるかわからないし、地道に一つ一つ集めていくのは性に合わない。
ボックス入りだとジャケのコンディションも悪くないだろうし、わざわざボックスを出して聴くのは面倒なので、盤の状態もそう悪くないだろうと思った。何より主要曲の大半が手頃な値段で英国盤で手に入るというのが魅力的だった。
到着が今から楽しみである。(今月に入って湯水のように金を使っているので支払いが怖いが…)

そこで、9月12日のデアゴ「Sgt. Pepper's〜」発売とBlue Boxの到着を待って、うちにあるSgtを新調したプレーヤーで聴いてみた。今までとは印象が違うはずだ。

ということで、今日はUS Stereo盤を聴いてみた。

SMAS 2653、よく見るSTEREO表記の黄色地にスッリクが貼られたのもではなく印刷されたもの
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バックにはキャピトルマーク
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中ジャケット:ジョージの肩に2653の文字、赤みが強い
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レーベル1: SMAS-1-2653 F-65 ○B-22923-F65 △17019 1-1 MASTERED BY CAPITOL Wallyのサイン
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レーベル2: SMAS-2-2653 F-65 ○B-22924-F65 △17019-X 1-1 MASTERED BY CAPITOL Wallyのサイン
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で、出どころを知ろうと"The Beatles' Story on Capitol Records・Part Two"で調べたが、載ってない。

15年くらい前に青森のレコードショップで買ったもので、当時からUS Stereoは黄色地にスリック貼り合わせだってことくらいは知っていたが、とにかく安かったし、当時はSgtのMonoとカットアウト、インナー、Inner Grooveに憧れていたので、UK盤の代わりとして正体もわからずに旅の思い出に購入した。
作りが簡素なので80年代の(アナログマスターを使用した)US盤だと勝手に思っていたが、なにこれ?

とりあえず聴いてみたところ骨太で迫力のある音がするように感じるが、これカウンターフィットだったり、CDマスターから作られたものだったら相当恥ずかしいし、自分の耳を疑うな…いや、プレーヤーぶっ壊して購入したBlue Boxも返品、デアゴも解約だ。

…と心配になったので"Discogs"で検索したら、86年製のUS盤とのことでホッと胸をなでおろした。
CD発売は87年なのでとりあえずはアナログマスターのようだ。
この盤には特に思い入れも何もないのだが、とりあえず"Blue Box"到着まで自分の中でステレオ・アナログ・サウンドの基準にしておこう。
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そういえば、最近Logic関係のことよりもデアゴに掛り切りだったので、前にカバーして中途半端に投げ出していたものをBGM代わりにどうぞ。
曲は"You Gave Me The Answer(Piano)"本文とは全く関係ありませんでしたね(笑)まぁ、デアゴがアナログ入門の答えをくれたってことで…


では…

デアゴスティーニ 「Abbey Road」のために…

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レコード・プレーヤーを買ってしまった…。

DENONのDP-1300MKIIってやつだ。前に使っていたTDKのSP-XA2002は作りが安っぽく、いくらで購入したかもう覚えていないが、メーカー小売希望価格39,800円程度とそれなりに値段も安かった。
音もそれなりだったが、USBでMacにお気軽に取り込めるので、それなりに出したり、しまい込んだりってな使い方をしていた。今回のデアゴスティーニのシリーズをブログに書くためにSP-XA2002で取り込んで比較していたが、音質を論ずるにあたって「これってオーディオ的にどうなんだ?」と疑問に思い、清水の舞台から飛び降りる覚悟でオークションで購入した。
新品だと12〜3万するところ半額程度で購入できたので、まぁ良かったと思ったが、精密機器なのでやはりちゃんと整備されたものをショップで購入するべきだったと思ったが、すぐに欲しかったのでまぁしょうがない。

カートリッジはDENONのDL-110が付いており、初のMC型なのでついでにDACも購入しようと思い立ちフォノイコライザ内蔵のFURUTECHのADL GT40αを購入した。(DSD録音可能なKORGのDS-DAC-10Rと迷ったがひと騒動あり今回は諦めた)この場に及んでとんだ出費であるが、このスペックだと今までの視聴環境から考えると大幅なステップアップになると思うので致し方ないといった感じである。

DACが到着するのを待って早速セッティングをし、24ビット192.000kHzでMacに接続し、DENONのAH-D2000というヘッドフォンで、まずは英国盤から聴いてみたが、今まで聴いていたのはなんだったのか?というくらいに全くの別物だった。(その前にテストで何の気なしにBilly Joelの"Songs in the Attic"を聴いてみたが、1曲目の"Miami 2017"の迫力と臨場感にすっかりブッ飛んでしまった。)

今まではTDKのSP-XA2002をUSBでMacに繋ぎ、24ビット96,000kHzで入力し、RolandのQUAD-CAPTUREで同じDENONのAH-D2000というヘッドフォンで聴いていたのだが、その頃と比較するとサンプリングレートの違いを差し引いても天と地ほどの差のように感じた。

今までは同じ英国盤を聴いていても音の分離が悪く、盤の状態があまり良くないのかノイズばかりが目立って「歪みっぽい汚い音だなぁ」と感じていたが、所詮アナログ、ノイズはつきものだしこんなものだろうと思っていたが、プレーヤーを変えたせいなのか音の分離が格段に良くなり、いわゆる音場も広くなった。また、DACのせいなのか音に迫力が出た。今まではQUAD-CAPTUREのボリュームをMAXにしていたが、ADL GT40αのボリュームは12時位でも十分満足だ。いかんせん盤の状態が悪いのでジリパチノイズやポップノイズは相変わらずだが、汚いという感じよりも、ノイズの向こう側の演奏がそれこそ繊細で、透明感や、空気感が感じられ、聴いているうちにアルファー波が出たのか、ついウトウトしてしまった。
やはりオーディオの世界は奥が深い。プラセボの可能性も多分にあるが…。

これだけ散財した以上、効果のほどを客観的に数値的にで分析したいと思い、最高音質の24ビット192.000kHzでLOGICに取り込もうとしたが、「ディスクが遅すぎます」とのエラーが出て途中で止まってしまった。

late2012のiMacとはいえ、5TのFusionDriveでメモリーは32GB、CPUは3.4 GHz Intel Core i7なので、まだまだ現役、そんなはずはないと思うのだが、とりあえずLOGIC側の設定と思い、I/Oバッファサイズを512に、プロセス・バッファ・レンジを大に、マルチスレッド処理を「トラックを再生」に変更し、MacのAudio MIDI設定の入力を妥協して24ビット96.0kHzに変更し、なんとか録音できたが、これだと楽器を録音する際にレイテンシーが発生しそうな気がするし、実際に取り込んだ音源を聞き返してみても「これじゃない感」がする。

う〜ん、どうしたもんか。どなたかアドバイスをお持ちの方がいらっしゃったらご教授願えるとありがたい(笑)この辺が他力本願寺と名付けた所以である。
DACメーカー推奨のAudacityを使えば難なく最高音質で取り込めるんだろうか…?(このソフト使いづらいから嫌いなんだけど…)

まぁ、とにかくこうして私のオーディオ環境はこんな感じになりました。
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モニタースピーカーは20年近く前のRolandのMA-10Dというものを使ってます。ガリは出ますが今だに現役で、問題なく使えてますが、程度のいいラジカセ並みなので、プレーヤーに合わせていつか新調したいですね。
あと、ヘッドフォンも、もっといいやつ…DENONのAH-D7200とか欲しいです…お金が…とんだ金食い虫だよ、デアゴ。

今回のシステムアップグレード、本当はデアゴのためというよりはVinyl Mono Boxのためだったりする。どんなに頑張ってもUSBの音しか出ない2012やデアゴよりも、アナログマスターの2014 Monoやオリジナルを聴く方がよっぽど楽しいだろうと思っているのだが…。

ちなみに、いつものように音源をアップしようとしたらSoundCloudの著作権検出に引っかかってしまったので時間があるときにでも。YouTube動画の作り方も勉強しなきゃなりませんな。
では…

デアゴスティーニ 「Abbey Road」音質比較

デアゴスティーニのAbbey Roadで音源比較ファイルを作ったのでまずお聴きいただきたい。(ヘッドフォンで聴いた方がわかりやすいかもしれない)
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「デアゴスティーニ」盤、次に「2012」盤の順で再生される。


IMG_1995.jpg

【 Side A】
Come Together: 違いがあまりよくわからないがなんとなく2012の方が低音が強く迫力があるように感じる
Something: 「デアゴ」の方がヒスノイズが多く感じる、「2012」重心が低めでソロのオーケストラが若干引っ込んで聞こえるか?
Maxwell's Silver Hammer: 「2012」はやはりヒスノイズが消えてると同時に、生気も失われているような気がする
Oh! Darling: 「2012」は曲を通してベースがブーミーに聞こえる。
Octopus's Garden: 「2012」はハイハットなどの減衰が早く、空気感が損なわれている。
I Want You (she's so heavy): 先日の感想と同じ。ルンバ・パートの辺りは如実に違う。ホワイトノイズも質感が全然違う。

【 Side B】
Here Comes The Sun: 間奏のハンドクラップの残響音が「デアゴ」の方が自然
Because: 「2012」はコーラスがこもって聞こえる。
You Never Give Me Your Money: イントロのピアノのバックのヒスノイズの量が違う。歌い出しのポールのボーカルも「デアゴ」の方が切なく聞こえる
Sun King: いまいちよくわからない
Mean Mr Mustard: イントロのバスドラの音が「2012」の方が大きく聞こえる。エンディングの3拍子になる辺り、「2012」の方が抑揚が無いような気がする。Dirty Old Manの時のポールのユニゾンの声が「デアゴ」の方がはっきりしている気がする
Polythene Pam: 歌い出しバックのベース4弦5フレットのA音が「2012」の方がクッキリしているような気がする。
She Came in Through The Bathroom Window: 歌い出しバックのタンバリンの音が「デアゴ」の方が賑やかな気がする
Golden Slumbers: 歌い出しの"Once there was a way"の質感が「デアゴ」の方が自然で生々しい。続くストリングスが「デアゴ」は個々のバイオリンの存在を確認できるが、「2012」はメロトロンや、安いキーボードなどでサンプリングされた「ストリングス」のプリセットを弾いたのような音で、塊になって聞こえる気がする。"Golden slumbers fill your eyes"のところも「デアゴ」の方がバックのホーンの音がハッキリしていると感じた。
Carry That Weight: 合唱パートも「デアゴ」の方が迫力があり、"Carry that weight a long time"の後のハイハットをオープンにするところも「デアゴ」の方が聞き取りやすい。You Never Give Me Your〜リフレインも「デアゴ」の方がトランペットの音が高らかに響く。エンディングのレズリースピーカーを通したギターも「2012」の方はくぐもって聞こえる。
The End: 「デアゴ」の方がイントロのシンバルが活きがいい。ギターバトルも「2012」は高音が死んでる。ギターの響も、大団円に向けてのドラムの抑揚も感じられない。

お聴きいただいてわかったように、やはり「デアゴ」に比べて「2012」は面の後半に行くに従って高音がオミットされるように設定されているようだ。
実際、面を通してそれぞれを単独で聴くと、それほど違和感を感じにくいかとは思うが、「2012」を生気の無い音だと評価するのも理解はできる。

あとは、個人の好みの問題だろう。私は「デアゴ」の方がイメージに近いと思う。

ちなみに、実際に2012製作にあたってどのような処理が行われたのか調べようと思ったが、当時発売された関連書籍などはだいたい購入していたのだが、ショーン・マギーのインタビューを探すことはできなかった。

唯一、手がかりになりそうだったのは2012 Vinyl Collectionに付属していた付属本だけだった。

文章をタイピングしようと思ったが、面倒臭かったので画像でお見せします。
IMG_1996.jpg
みなさんはどう感じただろうか?(ネットでは今回のデアゴの音質は概ね良好のようだが…)

では…

プロフィール

LOGICKEY

Author:LOGICKEY
函館市在住
1972年生まれ
好きなArtists:
The Beatles
Paul McCartney
etc…

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