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絶対UK Original至上主義宣言ーReturn to Abbey Roadー

忙しい合間を縫ってDeAgostiniを聴き込み、Two EMI Marksと比較をしていたが、『Rubber Soul』まできて「ちょっと待てよ?」ということになってきた。
IMG_2194.jpg

ご承知の通りDeAgostiniと2012のマスターはUSBやステレオCD同様、87年のCD化の際ジョージ・マーティンによってリミックスされたデジタルマスターが元になっている。
片やBlue Boxは当然オリジナルのアナログマスターから作られているので、編集を比較するならまだしも、両者の音質を比較する意味がない。違って当然だからである。

それを言っちゃうと、先に発売されたデアゴ版『Abbey Road』と『Sgt. Pepper's〜』も09デジタルリマスター使用なので、Blue Boxと比較すること自体も本来ナンセンスなのだろうが、現状私の手元にあるものの中で限りなくオリジナルに近いものを=「原典」と位置付け、(リマスターされた)デジタルマスターから作られたアナログと、(私の中の)原典を比較して(自分の中で)優劣をつけて、結果的に原典の優位性の再確認や、デアゴ盤の新たな魅力を見つけることは、それなりに意味があることだと思っていたのだが、さすがに『Help!』と『Rubber Soul』は音源が違いすぎるので難しいと思った。

この2枚を比較するなら

・'87CD→リマスタCD→2012→デアゴのリミックスラインと
・オリジナル(各国含む)→リシュー(各国含む)→09Mono収録のオリジナルミックスのライン

で比較するのがフェアーなんじゃないか?と思った。

といったわけで、少々時間を要しているが、近日中にアップしたいと思う。


"Blue Box"を手に入れて以来、その音のエネルギーにただただ魅了され、心の底から満足していたのだが、DeAgostiniにかかりきりになっていたせいで、ウチにある唯一のUK Originalの『Abbey Road』と78年リシューの比較をしていなかったということに気がつき、24bit、192kHzでMacに取り込み両者を比較した。
(本来、レコードはレコードのまま比較するのが理想だが、効率を考えるとやはりFlacからAppleロスレスに変換しiTunesに取り込んだ方が便利。そうなるとDr. Ebbettsでもいいのでは?となるが、EbbettsはCDクオリティーだし、曲間無音やノイズリダクションなどの観点からあまり信用できず、やはり自分で取り込んだものの方が素の状態に近いと判断した)

何回か前のブログ内で「どうせマスターの鮮度なんて聞き分ける耳は持っていないので…云々」と言っていたし、とりあえずしばらくの間は(お金もないので)"Blue Box"で納得しておこう、これ以上パンドラの箱を開けることはすまい、開けたら確実に死が待っている…と思っていた…のだが、"Blue Box"とEASのあまりの違いに気づいてしまい、

「まぁまぁまぁ、英国マスターから作られたUK盤と、コピーマスターから作られた日本盤じゃそりゃ違うの当たり前でしょうよ…同じUK盤ならオリジナルとリシューにはそんなに差はないはず…」

などとたかをくくっていたのだが、ロスレスでiTunesに取り込んだデータで比較してもはっきりわかるほど、

全然ちゃうやん!

ありきたりな表現で申し訳ないが、鮮度と言っていいのかなんと言っていいのか、もう言葉が見つからないけど、ウチのボロボロの(そこまででもないが、笑)オリジナルとピカピカのリシューを比較しても、オリジナルの圧勝。

オリジナルは音が解像度が高くクリアで締まって迫力があるように聞こえる。"Blue Box"の方はなんだか丸い、呆けた音に聞こえる。(余談だが、"林檎が呆ける"などと表現するのは北海道特有の表現だそうだ。要するに鮮度が落ちてシャキシャキ感のない状態のことを言う。)
うまく表現できないが、画像データの解像度の差に例えるのが一番ピンとくるかもしれない。オリジナルから9年を経るとこうも鮮度が落ちるものか?と驚愕するほどに同じUK盤なのに78年リシューは鮮度が下がって聞こえる。

しかし待てよ?おそらく地球上で最も厳重に管理されているであろう天下のBeatlesのマスター・テープがたかが9年でこうも劣化するものか?

と考えると、この聴感上の差はもしかすると、鮮度の差ではなく、カッティングから盤になるまでの工程の差に起因するものなのではないか?とも思った。とりあえず、時間がないので今回はここを具体的に掘り下げることは一旦やめて、今回はオリジナルとリシューを中心に聴き比べてみた。


気づいた点を具体的にいうと、オリジナルはCome Togetherの"Shoot me"のmeや、間奏2:07付近の裏でピコッと入る謎の音(私は09リマスターで初めて存在に気づいた。ギター?あと、今回初めて気づいたが間奏で裏打ちしてるハッ、ハッみたいな音もなんだろう?マラカス?)などが明瞭だし、タムの皮のたるみなんかもリアル。Somethingもリシューはわずかに軽く感じる。Maxwell's Silver Hammerが一番引っかかった。リシューは歌い出し"Joan was quizzical"のあたりでテープの劣化のようなよれを感じた。(たるんだテープを再生したての音みたいな感じ)一拍目のバスドラもオリジナルのほうが立ち上がりが早く迫力がある(音圧が高い?)。リシューは高音に寄ってるせいかヒスノイズも多いような気が…?

で、色々な盤と比較したのだが、EASはドンシャリ傾向で音圧は高いがカッティングレベルが高いのか全体的に歪みっぽく、コピーマスター故かヒスノイズが増えてしまっている。Mobile Fidelityは歌い出しのよれは感じられないがレンジが広いのか上品でおとなしくまとまった音。(Dr. Ebbettsはフェードアウトが急で早い)
2012は歌い出しよれあり、テープが安定していない感じ。ヒスノイズが目立たないがこもって聞こえる。全体的にノーマルテープに安いラジカセで録音したようなボソボソ汚い音。デアゴも歌い出しテープが安定していない感じで2012よりもヒスノイズ多め。そのせいか、いくらか見晴らしが良く感じるがオリジナルに比べると全体的に引っ込んでいておとなしく、煌びやかさに欠ける。USBは低音強調傾向で、音圧も高くバスドラの響もリアルだが残念ながら歌い出しにテープの劣化が見られボソボソしている。スクラッチノイズもないので聴きやすいはずだが、なぜか心が高揚しない音。で、USBとCDと比べたが違いがよくわからなかった。'87CDも残念ながらイントロでよれている。リマスタCDと比べるとやはり元気のないメリハリのない平坦な音、そのため随所に出てくるアコギの音もバックに埋もれて目立たない。'83年のCP35-3016(回収盤)は今まで気にも留めなかったが、'87とは別物だった。今まで聴き比べなどしたことがなかったので意識したことはなかったが、違って当たり前だ。恐らく日本にあったコピーマスターから作ったのだろうが、歪みっぽいEASとはまた違い、非常にバランスが良く、歌い出しに若干よれありでヒスノイズは目立つが'87で不満に感じたおとなしさや平坦さが感じられない。ジリパチがない分オリジナルに肉薄するのではないか?とさえ思った。そこで、回収盤のマスターテープはなんだろう?と思い、もしや?とプロ・ユース・シリーズ(EALF-97001)を聞いてみたが、音の傾向こそ違うものの、エンディングの後のスタジオ・ノイズ(何かのファン音?)の長さとテープの切れ目のタイミングが非常に似ていると感じた。

たしかどこかでプロ・ユース・シリーズについての記事を見たなぁ…と探すとTHE DIG Special Issue(2009年9月22日発行)の中に、当時のレコーディング・エンジニアの行方洋一さんという方のインタビュー記事を発見した。
記事を抜粋すると「通常ビートルズのマスターテープは38cm/秒の1/4インチ、2chのアナログ・テープ(マスターテープのコピー)で届いたが、ハイエンドユーザー向けのアナログ盤を作ろうとダメ元でEMIに頼み、76cm/秒、1/2インチのマスターが4ロール送られてきた」のだそう。「76cm/秒、1/2インチのマスターが存在するのは日本だけで、(恐らく)これを元に回収盤が作られたのだろう」とのこと。

ん〜、回収盤、侮れないぞ…

Oh! Darlingリシューは低音の迫力が落ちるが、3連のハイハットの音がスッキリして響く。1:00"alone"からのドラムの乱れ打ちもオリジナルの方が迫力があり、リシューはスッキリしている。EASはヒスノイズが目立ちドンシャリ、盤の品質がいいのかS/N比はすこぶるいい。2012はこもったレンジの狭い音。デアゴは音量低く、小さくまとまった痩せた音で、2012もデアゴもUSBとは違う、がまだ2012の方が好感が持てた。デアゴはボリュームを上げるといいのかもしれない。
Octopus's Gardenも同様の傾向。間奏のギターのあたりが一番違いが出やすいところだろうか?デアゴはイントロから歌い出しにかけてフェーダーを下げたか、エフェクトを強めたのかヒスノイズ成分が下がっているような気がするので、落ち着いていくような感じになる。(1:25付近も)
I Want You序盤は違いがわかりづらかったが、(ウチの盤の溝が荒れているのか?)オリジナルの方が歪みっぽく感じた。エンディングのノイズ成分がリシューの方が高音傾向で綺麗。そのせいか、いつもならどこで切れ目が来るのかわかるのだが、わからず混乱してしまった。オリジナルの方が密度も濃くおどろおどろしいが、リシューと比べると2012とデアゴを比較した時のようにドラムの音がダンボールっぽく、ノイズ成分との分離が悪い。ちなみにランオフの長さを測って見たが、オリジナルは約12.5mm、リシューは約9mmだった。EASは今までと同傾向で、聴きやすい音。リシューに似ている。ランオフは約10.5mm。2012に比べるとデアゴは高音成分があるが両者は基本的におとなしい音。エンディングのノイズは2012は異質。回収盤CDを聞いていて今回初めて気づいたが歌い出し0:16"I want youダダダッ(左カタッカタッ)"と何かが軋む?ノイズが入っているのだが、リマスタはカタッくらいしか聞こえない。('87でも確認できた)あ〜、回収盤いいかもしれない、聴きやすい素直な音だ。
Here Comes The Sunリシューは高音寄りでスッキリした音。EASイントロでわずかにテープがふらつくがドンシャリで低音がきつい。2012とデアゴは距離が遠い感じで、落ち着いた音。Becauseはリシューはイントロから歌い出しで盛大に転写が目立ちノイジー、位相が混じり擬似ステレオを聞いているような錯覚を起こす、おそらく全編通して転写しているためかオリジナルに比べてクリアさに欠ける。EASの方がまだ目立たない。2012はイントロ1音目でマスターの劣化かテープがふらつく。デアゴはイントロがおかしい。右チャンネルでギターが出るまでずっと左のムーグの音がふらついていてセンターでシュワシュワしてる。でUSBを聞くとやはりイントロで一瞬ふらつく。イントロのムーグが左90度で鳴っているのに、2012デアゴは45度あたり。オリジナルは60度付近?だった。'87CDは90度で1音目若干劣化あり。回収盤は100度位で鳴ってる感じ。2:42最後のah〜の余韻の中、背後でスイッチを切るような?ノイズが入っているのだが、リマスタ以降目立たなくなっている。オリジナルでもYou Neverのイントロ転写が聞こえる。
You Never Give Me Your Moneyリシューはイントロを通して転写が目立ち、ちょっと気持ち悪い。EASはドンシャリだが転写はそれほど目立たない。2012とデアゴでも転写があり、デアゴの方が目立つ。Sun Kingは今までと同傾向。Mean Mr Mustardも同じ。Polythene Pamも同じ。She Came In Through The Bathroom Window音の傾向は今までと同じだがリシュー、デアゴはエンディングでGolden Slumbersのイントロ転写が目立つ。オリジナルにはない。
Golden Slumbers今までと同じだがEASはクリアで分離が良く0:34からの盛り上がりがダイナミックで感動的に過剰に演出されている感じがした。確かに感動するが…。2012よりはデアゴが好ましい。この曲はアナログよりもUSBや過去CDの方に分があるかもしれない。Carry That Weightも同じ感じ。You Neverのトランペットが(ウチの)オリジナルでは歪みっぽく、リシュー、EASなどは綺麗に鳴る。2012デアゴは前回言った通り。USBが一番イメージに近いか?回収盤は合唱するところが薄くて軽い。The Endはオリジナルは活きがよく迫力はあるが歪みっぽくてCarry That Weightのエンディングのギターのフレーズからディストーションが強い感じで分離が悪く針先が汚れたような汚い音。リシューはその欠点がなくいい。EASはドンシャリ。2012はカーテン越しに聞いているようなひどい音。デアゴはそのカーテンをちょっと開けたぐらいの音で爽快感がない。Her Majestyも今までと同じ傾向。2012はリダクション過多。


という感じになった。実はこのブログを打ち終えるまでに3日かかった。やはり、重箱のすみを突つくように聞くとそれぞれに色々と不満が出てくるが、オリジナル盤がメンバーとエンジニアの望んだ音だとするなら、やはりいくらUKリシューと言えどもオリジナルとは別物だと言わざるを得ない。

ただし、オリジナルにあった問題点を「正した、改善した」とも言えなくはない。

今回聴き比べした中にも、「オリジナルは鮮度が良いけど、(ウチのオーディオの問題なのか)あまり良い音ではないな」と思う曲がいくつかあった。

確かに俗にいうラウドカットなどはメンバーやエンジニアが当初思い描いた音だったのかもしれないが、実際に商品になり聞いてみたときに針が飛んだり、音が歪んで割れるようでは、本末転倒であり、アナログレコードという器では当時の意図するものを表現できなかったと言えるのかもしれない。それでも、マトリックスの枝番の若い物を血眼になって探すか、リシューを選択するか、USB、はたまたデアゴ盤を選ぶか、どれが正解ということもないだろうし、音の好みも人それぞれだ。割れたノイジーな音を「爆音」と表現することもできるだろうし…。

何れにしても、個人的にはマスターが経年劣化するということはわかったし、たとえ劣化していなくともテープを再生した際のたるみ具合によっても'78リシュー『PPM』の"I Saw Her〜"のように音質が変化するのもわかったので、できることならオリジナルを基準に置きたいところだ。(それも、枝番が若いのにこだわるよりは、ある程度版を重ねたものの方がオーディオ的にバージョンアップされてより良いものになっている可能性が高いと思った。)

そもそも、リシューの何が不満かというと、マスターの扱いがぞんざいな気がするからである。

つまり、最初にリリースする際にはマスタリングからカッティングに到るまで、各工程、微に入り細に入り慎重に作業し、細かくチェックが入ったと思うが、リシューの場合、時代が変わりビートルズの威光も消え失せ、それがおろそかになり事務的に片手間で行われているような気がするからだ。
そうでもなければ先の"I Saw Her〜"で音がこもっているのをそのまま製品にしたり、"Sgt Inner Groove"が中途半端(Harry T. Mossなのに…?)だったり、(近々日本でも発売されるであろう)海外デアゴの『A Hard Day's Night』のタイトル曲頭切れ事件、2012年の変なEQ、前に書いた2012年"She's Leaving Home"のボンッというノイズ(←おそらくカッティング中に衝撃を与えたと推測)、もっと言えば『The Capitol Albums Vol,2』のニセmono事件などなど音源に対する敬意があればこんなくだらない不手際が起こるはずがない。(もっというと私はショーン・マギーの姿をYouTubeなどの映像で見るたびに「(人間的に)どうも信用できないな」と感じている。これは完全に偏見だし、ほとんど言いがかりだが、彼の目を見ていてもカッティングルームで真剣に仕事に向き合っている人間のようには見えない。なんかデスクに足を乗っけてお菓子でも食いながらカッティングしてそうな感じ(笑))

-閑話休題-

リシューはアートワーク一つとってみても、ビートルズに対する愛情が欠如していると感じる。(前にAngus McBeanの件で紹介したように'78リシューはものすごく簡易的で、断裁や貼り合わせも適当だ。)
リシューに愛を感じる唯一の例外は2014の"Beatles in Mono"かもしれない。

なので、UK盤入門用としては"Blue Box"は手っ取り早いが、本来の意図を組みとろうと思うと、やはりオリジナル至上主義にならざるを得ないのかもしれない。

と考えると、「じゃあなぜデアゴを買っているの?」という話になるが、長くなるのでそれはまた次回の講釈で

では…
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LOGICKEY

Author:LOGICKEY
函館市在住
1972年生まれ
好きなArtists:
The Beatles
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