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デアゴスティーニ『Help!』雑感 -Part 2

ということで、前回に引き続き『Help!』のお話

original_192.jpg

前回、デアゴ盤『Help!』についてとても良い音だったと書いた。
実際、ファースト・インプレッションでは私が今まで聴いた全てのフォーマットの中でも一番良い音だと感じた(元が悪すぎる)し、聴き返してみても確かに良い音だが、あくまで私の頭の中での'87CDとの比較で、今日改めてMacに取り込んだデータで2012とUSBと比較してみたが、A-6まではデアゴと2012の明確な違いを聞き分けることはできなかった。
強いて言えば盤質の違いからくる再生音の違いくらいか?

しかし"Ticket To Ride"に関してはやはり例のEQ処理によって明確に異なり、2012は高音が抑えられ天井の低い音。それによってディテールも聞き取りづらく、迫力も無くなっている。デアゴではそれが改善されている。
USBで聴くとノイズが無い分、更にタンバリンの打ち方やハンドクラップなどの細かいニュアンスが聞き取れる。
せっかくなので波形データーと周波数をスペクトル表示してみた。(例によって小さくて見づらいので画像を保存して画像ビュワーで交互に見比べるとわかりやすいかもしれない)

↓デアゴ
デアゴ
↓2012
2012.jpg
↓USB
USB.jpg

デアゴ、2012はどちらも同じ音量で192kHz、24ビットで取り込み。USBは44.1kHz、24ビットで、いずれもFlacをApple Losslessに変換し比較。

あまり詳しいことはわからないので恐縮なのだが、上が左ch、下が右chで、レコードソースはLもRも20kHzまで音が記録されているのはわかる。デアゴと2012を比較すると2012の方は波形が細いので、音量が低いのだろう。気になったのは場所によってチャンネルの波形が上下反転しているように見えること。同一箇所で比較するとデアゴとUSBが上にヒゲが出ているのに2012は下にヒゲが出ていたりする。なんだろうか…?

周波数だが、10kHzより高いところが2012のグラフが密度が薄いように見えるので、やはり高音をマスキングしているようだ。USBはフォーマットが違うので基準が違うが、18kHz?までは音が記録されているようだが15kHzを越えるとほとんど音が記録されていないのがわかる。ノイズが無い分、波形も綺麗だ。周波数も上まで密度が高いように見えるが、デアゴのグラフも拡大すれば同じような感じになるんじゃないかと思った。

じゃあUSBとVinyl(2012とデアゴ)の違いは?

ということになるのだが、2012のライナーによると

(前段略)"「リミッティング」というよく使われる作業に関しても、同様にデリケートなアプローチをとった。21世紀に制作されたアルバムは、過剰にリミッティングを施したせいでうるさくなっていることも多い。静かなパートの音量を引き上げて、ダイナミックなレンジのない「圧縮された」サウンドにしてしまうのだ。CDを作るのに使われたビートルズのステレオ・リマスターには多少のリミッティングがなされている(もちろん微かに、ではあるが。)モノラルのリマスターCD、そして全アナログ盤(編注:この場合2012のこと)には、追加のリミッティングは行われていない。"

とのことらしい。つまり、ステレオのマスターにはマスタリング時に微かにリミッターを掛けているが、CDではカッティング時に更にリミッター処理、2012Vinylはリミッター無し。USBは…リミッターが掛かっていると、どこかで読んだ気がするのだがソースは探せなかった。
しかし、2012がリミッター処理がされていないのだとすれば、比較すると波形を見る限りUSBはリミッターが掛けられているように見える。また、デアゴの波形もUSBに非常によく似ているので微かにリミッター処理されているのではないか?と思う。

そのせいで2012よりもデアゴの方が迫力があると感じたり、活きが良いと感じたりするのだろう。(もちろん2012で内周の曲で過剰なEQ処理を施し、高音をオミットしてしてしまったせいもある)

(余談だが、ステレオCDリマスターの曲間は短いが、モノCDとアナログ盤はオリジナルのレコードと全く同じになっているそうだ…本当かなぁ?)

また、更にライナーを読み解くと2012Vinylは"テスト・カッティングを行い、再生して問題点を特定し、シビランス(歯擦音)を抑えるために、ごく短い部分のレベル(←何の?)を下げたり、「内側の溝の歪み」の問題となる周波数を特定し、(マスリングの段階まで戻り、Pro Toolsで)「外科的なEQ」を使ってそのレベルを下げた"とのこと。

今回のデアゴシリーズではカッティングをやり直しているので、違いが出るのはそこら辺(歯擦音の有無、最内周でのEQ処理の有無、Sgt. Inner Grooveの有無)なんだろうと思う。(事実、デアゴではSgt. Inner Grooveはオミットされている。あれこそがショーン・マギー最高の仕事だったんだけど…)


話を『Help!』に戻して、先ほどA-6までは聴感上の違いを感じなかったと書いたが、波形と周波数を比較したらA-7ほどではないものの終始同じような傾向(デアゴ(USBも)の方が高い周波数の密度が濃い、波形が太い、波形の上下が反転)だった。
長年DTMをしていながらこの波形の上下反転というのが聴感上どういう影響があるのか想像もつかないのだが、なんとなく気持ちが悪い。

Yesterdayがわかりやすかった
↓デアゴ
Yestredayデアゴ
↓2012
Yesterday2012.jpg

この曲はダイナミック・レンジを大切にしたのか、あまりリミッターが掛けられていないようだ。おそらくヒスノイズ対策のEQ処理によって音質が異なり、それに伴いディテールも失われていると思う。(ただし、周波数を抜き出して聴いて見ると10kHz以上はほとんどモスキート音のような耳障りなノイズで、13kHzあたりではもう何も聞き取れなかった…哀しい)

Dizzy Miss Lizzyも同じ傾向
↓デアゴ
Dizzyデアゴ
↓2012
Dizzy2012.jpg

これはリミッターを掛けているようでデアゴは海苔っぽくなっているが、聴感上はデアゴの方がやはり音圧が高く、活きが良い音に聞こえ、良い方向へ作用していると思われる。



ということで、このアルバム、全般通して2012よりはデアゴの方が好ましいと言わざるを得ない。それよりも(もしどちらもLimitedだとしたら)USBの方がノイズが無い分良いに決まってる。

じゃあ、オリジナル・ミックスはどうなの?って話はまた次回。
では…
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Author:LOGICKEY
函館市在住
1972年生まれ
好きなArtists:
The Beatles
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